大門剛明著「雪冤」(せつえん)横溝正史ミステリー大賞受賞作とあった。まず雪冤とは、冤罪を晴らすという意味だと知らなかった。物語は死刑を廃止するためにわざと冤罪事件をつくる。人を殺し、無実の人に罪をかぶせ処刑させる。そのあとで真犯人が出頭して雪冤するというものだが、少々ストリーが凝っていて「走れメロス」の物語と掛けているので、最後は誰がメロスで誰がセリヌンティウスで誰がディオニスかわからなくなり、最後の最後まで真犯人が浮かんでは消え、また浮かんでは消えの連続!これも、死刑廃止論をどう捉えるのか?と読者に問いかけているミステリ‐小説だった。今週はこれで5冊読みこなしたことになる。